海外旅行の準備

スイス旅行の準備

シェンゲンの90日ルールと独自通貨フラン、山岳事故と多発するスリ対策まで

まず知っておくこと

ビザ

不要(観光目的、90日以内)

日本とスイスの間には査証免除取極があり、観光などを目的とした90日以内の短期滞在はビザ不要。スイスはシェンゲン協定加盟国で、同協定域内で査証を要しない短期滞在は「あらゆる180日の期間内で最大90日間」までとされる。

ビザなし滞在

180日間で90日まで

スイス単独の日数ではなく、スイスを含むシェンゲン協定加盟国全体での滞在日数を通算して、直近180日間のうち90日を超えられない。複数のシェンゲン諸国を周遊する旅程では、他国での滞在日数も合わせて数える必要がある。

パスポート残存

出国予定日から3か月以上、発行10年以内

シェンゲン協定加盟国の入国条件として、短期滞在査証免除の対象者であっても、残存有効期間が出国予定日から3か月以上あり、かつ10年以内に発行された旅券を所持している必要がある。

渡航認証

ETIASは未運用(2026年8月時点)

ETIAS(欧州渡航認証制度)は開始が繰り返し延期されており、EU公式ページは「現在運用されておらず、渡航認証の申請受付も行っていない」と明記している。開始時期は「運用開始の数か月前に公表する」とされ、確定していない。これとは別に、シェンゲン地域では2024年11月からEES(出入国管理システム)が導入され、入域時に指紋採取と顔写真撮影が求められる。

通貨

スイスフラン(CHF)

ユーロ圏ではないため、隣国のユーロは店によって使えることもあるが基本はスイスフラン。補助単位はラッペン(1フラン=100ラッペン)。

時差

日本より8時間遅い(夏時間は7時間)

スイス本土(ジュネーブ州の一部歴史的経緯を除く)は中央ヨーロッパ時間(CET/CEST)に属し、フランスやドイツと同じ標準時を使う。日本はUTC+9のため、時差は冬季8時間・夏季7時間になる。

プラグ・電圧

Jタイプ相当(スイス独自規格)、230V・50Hz

スイスは自国規格「SN 441011」にもとづく独自のプラグ・コンセント体系を使っており、EU諸国で広く使われるC/Fタイプの丸型2ピンプラグは、細いタイプであれば挿さることが多いが、スイス側の3ピンプラグは日本や多くのEU諸国のコンセントにそのままでは挿さらない。電圧230V・50Hzは一般に広く知られている数値で、本稿ではこの数値そのものを定める政府の一次情報は確認できていない。

危険情報

危険情報の発出なし(2026年8月時点)

外務省海外安全ホームページは、スイス全土について「現在、危険情報は出ておりません」としている。感染症危険情報も発出なし。ただし中東情勢や特殊詐欺に関する広域情報は別途出されており、渡航前に必ず最新の広域情報を確認する必要がある。

上の表の出典(9 件)を見る

最終確認 2026-08-24

3か月前

パスポートの残存期間

シェンゲン協定加盟国の入国条件として、旅券は出国予定日から少なくとも3か月間有効であること、かつ発行から10年以内であることの両方を満たす必要がある。どちらか一方だけでは足りない。

日本のパスポートは有効期間が5年か10年なので、10年以内という条件自体には多くの場合ひっかからないが、有効期限が近い旅券は残存期間の3か月要件で引っかかりやすい。出発前に必ず両方の条件を確認する。

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ビザと渡航認証

観光目的であれば、日本国籍のパスポートでビザなしでスイスに入国できる。数え方はスイス単独ではなく、シェンゲン協定加盟国全体を通算して「直近180日間のうち90日まで」となる。複数のシェンゲン諸国を周遊する場合は、他国での滞在日数も合わせて数える必要がある。

90日を超えて滞在する場合や就労等を目的とする場合は、日本出国前に滞在予定の州の移民局が発行する「スイス入国許可の確約書」を取得する必要がある。駐日スイス大使館は日本国籍者への査証発給業務を行っていないため、長期滞在の手続きは現地の州移民局を通じて進めることになる。

ETIAS(欧州渡航認証制度)というビザとは別のオンライン事前登録が導入される予定だが、2026年8月時点ではまだ運用されていない。これとは別に、2024年11月からEES(出入国管理システム)がシェンゲン地域で段階的に導入され、日本国籍者を含む短期滞在者は入域時に指紋採取と顔写真撮影が求められる。

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予防接種と健康

スイス入国のために接種を義務づけられているワクチンはない。一方でスイスは春から秋にかけてマダニが媒介するダニ媒介脳炎(FSME)の発生地域で、毎年100〜250件ほどの感染例が報告されている。感染すると発熱・頭痛・意識障害などが起こり、まれに死に至ることもある。

標高2,000メートル以下の山道や湿地帯を歩く予定がある場合は、長袖・長ズボンの着用やマダニ除けスプレーの使用、行動後の身体・衣服の確認が有効とされる。ダニ媒介脳炎のワクチン接種も推奨されており、対応する薬局や病院で接種できる。

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1か月前

海外旅行保険

外務省は、海外旅行保険に加入していなかったために、病気やケガに伴う治療や緊急移送などで多額の出費を余儀なくされたケースが少なくないとして、加入を勧めている。

登山・ハイキングをする場合は特に注意が必要で、スイスでは山岳事故の捜索救助費用や緊急患者輸送費用は自己負担となり、その金額は1000万円を優に超えることもある。海外旅行保険が登山・ハイキング中の事故に適用されるかを確認するとともに、スイス・エアレスキュー(REGA)への加入も検討するとよい。

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通信(eSIM・SIM・Wi-Fi)

スイスはEU加盟国ではないため、EU域内居住者向けのローミング料金規制の対象外で、日本の携帯電話会社の海外ローミングプランをそのまま使うか、現地やオンラインでeSIM・プリペイドSIMを別途用意する必要がある。

プリペイドSIMを契約する際の身分証提示義務について、公的な一次情報は確認できなかった。空港や市中の携帯電話会社の店舗で契約・購入する場合は、パスポートの提示を求められることがある。

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たびレジと在留届

3か月未満の旅行なら「たびレジ」への登録が外務省から勧められている。渡航先や日程を登録しておくと、出発前や滞在中に現地の安全情報が届き、現地で事件・事故・自然災害に巻き込まれた際に在スイス日本国大使館や在ジュネーブ領事事務所からの支援を受けやすくなる。

一方、3か月以上スイスに滞在する場合は在留届の提出が必要になる。在留届電子届出システムを通じて、日本出発の3か月前からオンラインで提出でき、住所や緊急連絡先などを登録する。住所などに変更が生じたときは「変更届」を、帰国や他国への転出の際は「帰国・転出届」を、同じシステムから提出する。

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1週間前

お金と支払い

通貨はスイスフラン(CHF)。ユーロ圏ではないため、隣国から陸路で入る場合でも両替や現地通貨の準備が必要になる。現金・外貨・有価証券の持込み・持出し自体に制限はないが、連邦税関国境警備局の検査で1万スイスフラン以上の所持について質問された場合は、身元や目的を正直に申告する義務がある。申告を拒否すると罰則の対象になる。

カードは主要な都市部やホテル・レストランでは広く使えるが、山小屋や小規模な商店では現金のみのところもあるため、少額の現金も別途用意しておくと安心。

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電源プラグと電圧

電圧は230V・50Hzが一般に知られている数値で、日本の100V専用の家電(ドライヤーなど)をそのまま使うと故障の原因になるため変圧器が必要になる。スマートフォンやノートパソコンの充電器は100〜240V対応のものが多く、その場合はプラグの形状さえ合えばそのまま使える。

コンセントは自国規格「SN 441011」にもとづくスイス独自の3ピンプラグが使われている。フランスやドイツなどで広く使われる丸型2ピンのC/Fタイプは細いプラグであれば挿さることもあるが、確実ではないため、スイス向けの変換プラグを用意しておくとよい。

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気候と服装

スイスは地域による気候差が大きい。北部・中部の平地は温帯性で四季がはっきりしているが、標高が上がると気温は急激に下がり、夏でも高山では雪が残ることがある。全般的に海抜が高く、登山電車やケーブルカーで比較的簡単に2,000メートルを超える山に登れるため、急な気圧の低下で体調を崩すことがある。

特に心臓の弱い方、体調の悪い方、高齢者、小さな子どもは無理をしないよう注意が必要とされる。短時間の簡易なハイキングであっても、旅行の疲労や急な気圧の変化により、下山後に脳梗塞等で緊急入院するケースも報告されている。

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持ち込みと持ち出しの制限

一般旅行者に対する税関検査は自己申告制で、免税範囲を超える場合は申告が必要。免税範囲は物品合計300スイスフラン相当までで、超過分には課税される。たばこ・アルコール類にも年齢制限付きの免税枠がある。持込み・持出しが規制または禁止されている物品には、肉・魚製品、乳製品、野菜、銃器、違法薬物等がある。

個人が服用する医薬品は1か月分まで持込み可能だが、麻酔薬に相当する医薬品には別途許可が必要。展示会出品貨物や職業用具などを持ち込む場合は、日本出国前にATAカルネの取得など必要な手続きを行う。

現金は1万スイスフラン以上を所持している場合、税関の検査で身元・目的等の申告を求められることがある。マネーロンダリングやテロ資金供与の疑いがある場合、現金が一時的に押収されることもある。

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現地で

現地の移動

スイスの鉄道駅には改札口がないため、誰でも駅構内や列車内に入ることができる。このため、列車の出発間際に荷物を盗んで車外に逃げる手口があり、被害者は列車が出発した後になって盗難に気づくこともある。網棚に手荷物を載せない、乗降時や混雑時はバッグを身体の前で持つといった対策が有効とされる。

登山鉄道・ケーブルカーを使えば標高2,000メートルを超える山にも比較的容易に登れるが、急な気圧の低下で体調を崩す場合があるため、無理のない計画を立てる。

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マナーとタブー

写真撮影について、軍事施設など「撮影禁止」の表示がある場所では必ずその指示に従う必要がある。

違法薬物の持込み・所持・使用は禁止されており、違反者は罰金・懲役等で厳しく罰せられる。若者を中心に違法薬物が出回っており、社会問題の一つとされているため、特に深夜の都市部の裏通りや公園には立ち入らないよう注意が呼びかけられている。

就労する場合は入国前に労働許可の取得が必要で、無許可での就労は罰金等の刑罰に加え、退去強制や入国禁止の対象になることがある。

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治安と多い手口

スイスの治安は比較的良好とされるが、毎年多くの日本人観光客が窃盗などの被害に遭っている。特にチューリッヒ、ルツェルン、バーゼル、ジュネーブ、ベルンといった都市部の空港・駅・鉄道内・レストラン・ホテル(ロビー、朝食会場)・観光名所で置き引きやスリが多発している。スイスの犯罪統計によれば、2022年の犯罪件数は10年ぶりに増加に転じ458,549件(前年比10%増)となり、半数以上が窃盗・車両盗難・強盗・詐欺・恐喝等の財産犯罪だった。

日本人観光客の被害事例として、ビュッフェ形式の食事中に椅子に置いたバッグや部屋の鍵を盗まれる、写真撮影に気を取られている間にスリに遭う、見知らぬ人に親切心からクレジットカードを貸してすり替えられる、電車内で複数人が連携して気をそらしながら荷物を盗むといった手口が報告されている。多くは単独犯ではなく複数人からなるグループによるもの。

2026年8月時点で、外務省はスイス全土について危険情報(レベル1〜4)を発出していない。一方で中東情勢や特殊詐欺に関する広域情報が別途出されており、これらは渡航前に必ず確認する必要がある。

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緊急時の連絡先

警察は117、救急車は144、消防署は118。

在スイス日本国大使館はベルンにあり、パスポートをなくしたときや事件・事故に巻き込まれたときの相談先になる。ジュネーブ周辺では在ジュネーブ領事事務所が対応する。

  • 警察:117
  • 救急車:144
  • 消防署:118
  • 在スイス日本国大使館(ベルン):Engestrasse 53, 3012 Berne/(031) 300-22-22(国外から +41-31-300-22-22)
  • 在ジュネーブ領事事務所:Rue de Lausanne 82, 1202 Geneve/(022) 716-9900(国外から +41-22-716-9900)

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このページについて

日本と渡航先の政府機関が公開している情報をもとに、TRAVIO が日本語で要約したものです。公式の案内ではありません。各節の出典を加工して掲載しています。入国の要件や手続きは予告なく変わるため、出発前に必ずリンク先の公式ページで確かめてください。

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